みなさんこんにちは。マキシマイズ代表の渡邊です。今回から、既存事業を持つ大企業がシリコンバレーのスタートアップに負けない画期的な新規事業を創造するために、インダストリー4.0の一環としてスイスで開発された手法『ビジネスモデル・ナビゲーター』の開発元で弊社のパートナーであるBMI Lab社のブログを皆さんにご紹介していきたいと思います(※BMIとはBusiness Model Innovation:ビジネスモデル・イノベーションの略です)。
初回は「55種類のビジネスモデル・パターンカード:サプライ品モデル(“BMI's 55 Pattern Cards: Razor and Blade”)」についてのお話しです。世の中のすべてのビジネスモデルを55種類に類型化したパターンカードをもとに新たなビジネスアイデアを創造するアイデア創造法は、ビジネスモデル・ナビゲーター手法の大きな特徴の一つです。今回は55種類の中でも特徴的でなじみの深い、サプライ品モデルに関するブログをご紹介します。サプライ品モデルは身近なところではプリンターのカートリッジや、ゲーム機、ウォーターサーバーの交換ボトルなど、B2Cの製品でよく目にするモデルです。しかし一歩離れてよく考えてみると、企業向けの製品+メンテナンスサービスや、ソフトウェア+年間保守契約など、B2Bの商材や物理的な製品でないサービスの世界でも活用されていたりします。では本文をお楽しみください。
2017年3月23日
55種類のビジネスモデル・パターンカード:サプライ品モデル(“Razor and Blade”)
(BMI Lab社ウェブサイトのブログ記事を、同社の許可を得て翻訳、掲載しています)
パターンの解説サプライ品モデルでは、本体製品はお買い得な価格や、場合によっては無償で提供し、製品の利用に必要な消耗品で高い収益を実現する。本体製品の価格を低く設定して利用開始しやすくして、その後のリピートオーダーで値引き分を回収するのだ。たいていは、顧客の自社製品への依存度をさらに高めるべく、独自技術で顧客を囲い込む。
トリビア情報サプライ品モデルの象徴といえる「カミソリと替え刃(Razor and Blade)」はジレット社が1904年に考案した。カミソリ本体(the rasor)を低価格でばらまき、高価な消耗品のカミソリ刃(the blades)で金儲けをしたのだ。
活用例ネスレグループののネスプレッソ社は(「まがい物はいらない」というジョージ・クルーニーの決め台詞で)使い捨てのコーヒーカプセルをファッショナブルな製品に仕立てた。まがい物はいらない:今日では、ノーブランド品やPB品のカプセル式エスプレッソマシンが多数あるが、この市場を生み出したのはネスプレッソだ。製品本体はおよそ$150だが、コーヒーカプセル50個のセット(1カプセルでコーヒー1杯)は40ドル以上になる。50杯分を1日に1-2杯ずつのペースで消費すれば、ちりも積もれば山となるという算段だ。
いかがでしたでしょうか。弊社では、ビジネスモデル・ナビゲーターを日本企業にも普及させるべく、ワークショップやプロジェクト支援など様々な支援サービスを提供しております。ご興味の方は是非お問い合わせください。
次回は、『サーキュラーエコノミー入門(“Introduction to the circular economy”)』という、環境破壊を生み出す大量生産・大量消費のリニアエコノミーからサステナブルなサーキュラーエコノミー(「循環型経済」)に移行することについてのお話に関するブログ記事をご紹介予定です。