海外先進100社のDX成功アプローチ紹介セミナー

DX・DX人材, イノベーション, ビジネスモデル・新規事業創出, 研修・ワークショップ

こんにちは、マキシマイズの田中です。
今回は代表の渡邊が監訳出版した「DXナビゲーター(2021年、翔泳社)」の著者を招いて海外先進企業のDXへのアプローチをご紹介するオンラインセミナーを実施いたしましたのでその様子をご紹介させていただきます。

海外先進100社のDX成功アプローチ紹介セミナー
~既存事業の強化と新事業創出の両立というジレンマを打ち破るDX実践法~

書籍『DXナビゲーター』とは

真のDXの実現には、デジタル化により既存事業を強化して稼ぎ続けることと、将来を見据えて既存のビジネスモデルを変革し、デジタルを核とした新事業を創造することを両立する必要があります。ところがこれら2つの取組みは、既存事業の強化と破壊という自己矛盾を抱えており、同一組織内で同時に実行することが困難です。企業経営者や、DX担当者の皆さんは、具体的にどのように取り組めばよいのかわからない、といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

DXナビゲーターでは、欧州をはじめとするDX先進企業100社の責任者へのインタビューを通じて、DXに内在する矛盾を各社がどのように乗り越えたかを、戦略、組織、技術、プロセス、リーダーシップ、人材、文化の各側面から具体的な手法として取りまとめています。

実施内容
セミナーは10月18日、21日の両日実施され著者のスイス・ザンクトガレン大学のカロリン・フランケンバーガー教授、QSIDデジタルアドバイザー社CEOのマーカス・シュミット氏をお迎えし、フランケンバーガー教授及び、渡邊によるプレゼンテーションとフランケンバーガー教授、シュミット氏へのQ&Aセッションを実施いたしました。
10月18日はInspired.Lab様、10月21日は都心型オープンイノベーション拠点Xport様にご協力いただき開催いたしました。

フランケンバーガー教授のプレゼンテーションでは成功確率16%と言われるDXプロジェクトに欧州を中心としたDXの先進企業がどのように取り組んでいるか、100人以上のCEO、CDOへのインタビューから得られた知見をまとめた書籍のコンセプトをプレゼンテーションしていただきました。

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続く渡邊のプレゼンテーションでは書籍の要点であるDXの実践について、WHY:なぜDXを行うのか、What:DXの目標設定、Where:DXのKPI設定、How:DX実行のための6つの要素(組織・技術・プロセス・リーダーシップ・人材・文化)についてポイントを解説しました。書籍で紹介されている、フランケンバーガー教授たちのインタビューで得られた知見まとめた実践的なテンプレートの事例を使用しながら解説をしています。

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Q&Aセッションでは非常に多くのご質問をいただきましたのでその中からいくつかご紹介させていただきます。

今回の著書を出そうと思った著者の問題意識やきっかけは、いかなるものか?例えばDXが上手くいかない事例を見たなど。
著者らは多くの企業にコンサルティングを行っているが、DXプロジェクトを進めるにあたり、優れた戦略、アイデア、優秀な人材がいるにもかかわらず、推進には困難が伴うケースが多い。その解決策を探りたいと考え、様々な企業にインタビューを行った。
調査の結果、既存事業の強化を行うDXと既存事業を破壊するDXの両チームは緊張関係にあり、この点でDXうまく進んでいないという結果が得られた。それを踏まえ、各社がこの問題をどのように乗り越えているのか、各社の取り組みをまとめたのがDXナビゲーターである。

書籍で解説するようなDXの考え方について、すべての社員に教育をする必要があるのか?それとも経営陣だけでよいのか?
DXプロジェクトは従来の変革プロジェクトとは異なり、トップダウンだけではなくボトムアップで現場を巻き込まなければうまくいかない。トップマネジメントに対しては、主に新しい技術についてや、その技術をどう活用するのかを教育する必要がある。一方で、現場にもDXに関する再教育を進めていく必要がある。現場の社員に対しては最新のデジタルスキルを教育することはもちろんだが、実は21世紀型のスキルと呼ばれる創造力やチームワークなどの人的なスキルを身に着けることが非常に重要です。

その他にも多くの質問をいただき、フランケンバーガー教授やシュミット氏から貴重な話を聞くことができました。
また、書籍で紹介しているテンプレートは弊社HPからダウンロードすることができます。

セミナー開催概要

  • 日程:2021年10月18日  17:00~18:30
  • 実施方法:オンライン
  • 実施テーマ:海外先進100社のDX成功アプローチ紹介
  • 主催:Inspured.Lab
  • 共催:株式会社マキシマイズ
  • 日程:2021年10月21日  16:00~17:30
  • 実施方法:オンライン
  • 実施テーマ:海外先進100社のDX成功アプローチ紹介
  • 主催:都心型オープンイノベーション拠点「Xport」
  • 共催:株式会社マキシマイズ
  • 協力:大阪商工会議所、大阪工業大学

– 登壇者紹介

カロリン・フランケンバーガー
カロリン・フランケンバーガーKarolin
Frankenberger

ザンクトガレン大学(スイス)常勤教授で戦略イノベーションを担当。同大学経営戦略研究所長、エグゼクティブMBA学部長も務める。大学の前は、マッキンゼー・アンド・カンパニーに7年間勤務。
(デジタル)ビジネストランスフォーメーション、ビジネスモデル・イノベーション、エコシステム、循環型経済の研究で受賞歴があり、最近、時代の先端を行く世界的な経営思想を発信するThinkers50で月間賞に選ばれた。
一流の学術雑誌、実務家向け雑誌に著作が頻繁に掲載されており、著書の『The Business Model
Navigator』(邦題『ビジネスモデル・ナビゲーター』[翔泳社])は、ビジネスモデル・イノベーションの基本的参考文献として知られる。自身でビジネス関係の団体を立ち上げ、世界各地で講演を行い、戦略とイノベーションについてさまざまな業種の企業幹部を支援している。サンクトガレン大学で最優秀の成績で博士号を取得。ハーバードビジネススクールとコネチカット大学で博士課程客員研究員をしていた。

マーカス・シュミット
マーカス・シュミットMarkus Schmidt

QSIDデジタルアドバイザリー社の創設者でCEO。
同社は、家族経営の中規模企業の戦略、リーダーシップ、DXを支援するコンサルティング会社。ヴァレオ社、ボッシュ社で長期にわたりグローバリゼーションとDXを主導した経験を持ち、最近までボッシュ社オートモーティブエレクトロニクス部門のヴァイスプレジデントだった。ボッシュ社でのリーダーシップ経験から、製造業企業のDXの可能性と課題に精通する。この経験を活かし、DXに関する、経営幹部レベル向けのコーチングとアドバイザリー、産業関連イベントの講演を行い、複数の大学で講師を務める。ミュリーズグループのファッション3とクレエンNPグループのクロステックインベスト部門の役員でもある。

渡邊 哲
渡邊 哲Satoru Watanabe
株式会社マキシマイズ代表取締役
Japan Society of Norithern California日本事務所代表
早稲田大学 非常勤講師

海外の有力ITやイノベーション手法の日本導入と大企業向けのイノベーション支援を専門とする。特に海外ベンチャー企業と日本の大手企業との連携による新規事業創出に強みを持つ。三菱商事、シリコンバレーでのベンチャー投資業務等を経て現職。欧州で開発された大企業向けビジネスモデル・イノベーション手法の国内向け導入、イノベーションを切り口としたシリコンバレーと日本のイノベーション・コミュニティ運営など、日本のイノベーションを促進するための活動を展開中。
東京大学工学部卒。米国Yale大学院修了。共訳書に『アントレプレナーの教科書』、『ビジネスモデル・ナビゲーター』、『イノベーションの攻略書』(いずれも翔泳社)。


今回は、既存事業の強化と破壊という真のDX実現の困難となるジレンマを克服するための手引書「DXナビゲーター」の著者によるセミナーの様子をご紹介させていただきました。
今後もビジネスモデル・ナビゲーターの導入事例やセミナーの情報などご紹介させていただきます。

WRITER

株式会社マキシマイズ コンサルタント
田中 陽介(たなか ようすけ)
株式会社マキシマイズ コンサルタント

株式会社マキシマイズにて、国内大手企業向けに海外の有力ITやイノベーション手法の日本導入を支援。新規事業立ち上げ、事業開発に強みを持つ。広告代理店、中国向け電子コミック配信事業、プロ野球独立リーグ球団運営を経て現職。「イノベーションの攻略書」共訳。立教大学法学部卒業。

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