早稲田大学の実施する中国国家重点大学群の
学生向けワークショップ

DX・DX人材, イノベーション, 研修・ワークショップ

こんにちは、マキシマイズの田中です。今回から当社が提供するイノベーションや事業創造に関連するワークショップなどの事例紹介やセミナーのレポートさせていただきたいと思います。
今回は早稲田大学が中国国家重点大学群の学生向けに実施しているアントレプレナーシップ講座でビジネスモデル・ナビゲーターを活用したワークショップを提供した事例です。ビジネスや事業創造の経験があまりないイノベーションの初心者が、社会課題を解決するスタートアップの事業アイデアを創造した事例です。

早稲田大学の実施する中国国家重点大学群の学生向けワークショップ

早稲田大学の実施する中国国家重点大学群の学生向けワークショップ
~ビジネスモデル創造 初心者向け事例~

背景マキシマイズでは2017年から早稲田大学の起業家育成を目的とした講義で、ビジネスモデル・ナビゲーターを使用して実在の企業の新規事業やスタートアップの事業アイデアを考えるプログラムを提供しています。この講義をきっかけとして2018年から中国人学生向けの本プログラムもスタートしました。毎年夏冬の年2回程度実施しており、コロナ禍となった2020年以降はオンラインで実施しています。

参加者復旦大学、北京科技大学、湖南大学、中国海洋大学といった中国政府の指定する国家重点大学を中心に、毎回60名~90名程の学生が参加しています。参加者は10名程度のグループに分かれ各グループ1つの事業アイデアを創造し、最終日にプレゼンテーションを実施します。また各グループには早稲田大学等の学生さんがTA(TeachingAssistant)として参加しています。特に日本に興味を持つ学生が多いため、各グループに参加するTAと積極的に交流しながらディスカッションを進めていきます。中にはプログラム終了後に中国を訪れ再会を果たしたTAの学生もいるようです。

実施内容ワークショップでは「日本語をしゃべることのできない外国人旅行者の困りごとの解決」や、「コロナ禍によって起こった問題の解決」をテーマに新たなスタートアップの事業を検討します。講義だけでなく実際にアイデアを考えるグループワークを中心に構成されており各チーム活発なディスカッションを通じてアイデアを創造していきます。
各チームは、ビジネスモデル・ナビゲーターの事業創造プロセス「現状分析」、「アイデア創造」、「事業設計」、「アイデア検証」にそって事業を創造とプレゼンテーションによる事業検証を実施します。

「現状分析」では各参加者がテーマに沿って持ち寄った困りごとを共有し、どの課題が顧客にとってお金を払ってでも解決したい一番クリティカルな課題か洗い出します。

「アイデア創造」ではビジネスモデル・ナビゲーターのパターンカードを使用して課題を解決するためのアイデアを40~50個発想します。

「事業設計」ではアイデア創造で発想したアイデアをブラッシュアップしながら1案に絞り込み、ビジネスモデルの形に具体化し、プレゼンテーションを作成します。プレゼンテーションはスタートアップが実際にベンチャーキャピタルにプレゼンする際のテンプレートを参考に実践的なプレゼンを作成します。

「アイデア検証」では実際に顧客となり得る他の参加者に対して事業アイデアをプレゼンしフィードバックを得ます。
実際に考えられたアイデアは、短期間のプログラムにもかかわらず顧客の課題発見やビジネスモデルの観点から質の高いものが多く考え出されました。一例ですが、外国人旅行者の困りごとでは、「病気やけがをした際にどうしたらよいかわからない、つらい状況下において自分で全てを対応するのは困難」という課題に対して、病気やけがをした際の初期相談から病院の予約、決済までを包括的にカバーするプラットフォームで課題を解決するアイデアが発表されました。
またコロナ禍おける問題の例では、「スマートフォンやアプリを使いこなせない高齢者などが必要な情報にアクセスできない、買い物時の外出によって感染リスクが高まる」という課題に対して、アプリの操作方法レクチャーの機能を持ったオンラインショッピング&情報共有機能アプリを開発し、地域コミュニティの協力を得ながら普及させるといったアイデアが発表されました。

プレゼンテーション終了後はTAが参加者に日本のお勧めスポットを紹介する交流セッションを実施しており毎回とても盛り上がっています。

参考資料 : 2021年サマースクール実施概要

  • 日程:2021年7月26日~8月4日(各日3時間×5日間のオンライン講義及び、個人・グループ単位での宿題)
  • 参加者:中国国家重点大学群学生、早稲田大学生85名
  • 実施方法:オンライン
  • 実施内容:ビジネスモデル・ナビゲーター手法を利用したスタートアップの事業創造
  • 実施テーマ:コロナ禍によって起こった問題を解決する新事業

いかがでしたでしょうか。今回はビジネスモデル・ナビゲーターを使用する事で、ビジネスや、事業創造の初心者でもアイデアを短期間で創造する事ができるという事例をご紹介させていただきました。
次回は書籍DXナビゲーターの著者及び渡邊のセミナーについてご紹介をさせていただく予定です。

WRITER

株式会社マキシマイズ代表取締役
田中 陽介(たなか ようすけ)
株式会社マキシマイズ コンサルタント

株式会社マキシマイズにて、国内大手企業向けに海外の有力ITやイノベーション手法の日本導入を支援。新規事業立ち上げ、事業開発に強みを持つ。広告代理店、中国向け電子コミック配信事業、プロ野球独立リーグ球団運営を経て現職。「イノベーションの攻略書」共訳。立教大学法学部卒業。

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